建設業で若者離れが止まらない理由とは?解決策を解説

建設業界における若者離れ

建設業界では若者離れが深刻な問題となっています。年を取れば人はいつか引退します。高齢化が進む建設業界では、若者を採用していかないと将来人手不足となってしまいます。

 

就業率のデータを確認しましょう。国土交通省の「建設業及び建設工事従事者の現状」(2016年)によると、55歳以上の就業率が33.9%であるのに対し、29歳以下の就業率は11.4%と低い数値に留まっています。建設業界の若者の就業率は約1割に過ぎないのですね。建設業界においては、深刻な若者離れへの対策を早急に講じる必要があるということが分かります。

 

建設業界ではなぜ若者離れが止まらないのか

先の国土交通省の「建設産業の現状」を見ると、29歳以下の若者の就業率は年々下がっています。例えば10年前には約15%の就業率がありましたが、年を経るごとに就業率が低下し2016年には11.4%まで下がってしまいました。それでは、建設業界ではなぜ若者離れが止まらないのでしょうか?4つのポイントで確認していきます。

雇用条件が悪いイメージがある

建設業界には、雇用条件が悪いイメージがあります。特に労働時間については長時間労働になりがちなので、若者が建設業界を選ばない原因となります。国土交通省の「建設業及び建設工事従事者の現状」によると、全産業の残業・休日労働時間が132時間であるのに対し建設業では160時間にのぼっています。

また、所定内労働時間についても、全産業では1,609時間ですが建設業では1,918時間となります。全産業よりも建設業の方が「所定内労働時間が長い」理由として、週休二日制が取れていないことが挙げられます。

なお以前は、建設業界では社会保険に加入していない実態がありました。しかし2017年より建設業界においても社会保険への加入が必須となっています。また、ゼネコンは下請けの建設業者が「社会保険に加入しているかどうか」をチェックしており、社会保険未加入の建設会社は少なくなっています。

収入が不安定

建設業界では日給月給制を導入している会社があります。日給月給制では、天候が優れず仕事ができないとその分の給料が出ません。非正規労働者のみならず正社員であっても日給月給制の対象となることも。どうしても収入が不安定となるので、建設業界は若者離れを引き起こしてしまうのです。

ただし、建設業界の平均年収は低いわけではありません。国税庁の「民間給与実態統計調査」(令和2年版)によると、全産業の平均年収が436万円の中、建設業界の平均年収は491万円であり全14業種中、6位にランクインされています。

教育がないがしろにされている

建設業界は肉体労働を主体とするため、仕事は「先輩の背中を見て覚えろ」と言われることが多いでしょう。建設業界は危険と隣り合わせですから、危険な行動を取れば先輩から怒鳴られることも日常的です。しかし、怒られ慣れていない若者からすれば、「ロクに教育されていないのになぜ怒鳴られるのか?」と不満に思ってしまうでしょう。

現場でのOJTで先輩から指導を受けることは間違った教育ではありません。むしろ仕事をしながら学習できるので、経験の浅い若者にとっては成長できる環境があると言えます。しかし、体系的な教育をせずに現場で覚えてもらうのは非効率な教育です。インプットとアウトプットの関係を考慮し、会社が社内で知識を提供し、現場で学習したことを発揮していく方が効率的に教育できます。

3Kのイメージがある

建設業界には「きつい・危険・汚い」という3Kのイメージがあります。体を使った仕事が多く、夏の炎天下や冬の寒さに耐えながら仕事をします。重い資材を運び、高所での作業があり、作業服がボロボロになるまで働きます。以上の理由から、なかなか若者が働きたいと思いにくいのが建設業界です。

建設業界の若者離れへの解決策とは?

建設業界では若者離れが起こっていて、要因も様々であることが分かりました。高齢化が進む建設業界において若者離れを放っておくわけにはいきません。若者離れを解決するための対策を説明します。

長時間労働を是正する

建設業界では他の産業よりも長時間労働になりがちです。また、週休二日制も取れていないことで、雇用条件が悪い部分があります。建設業界において労働時間を削減するための施策として、建設ICTの導入が考えられます。

建設ICTとは、パソコンやタブレットなどのデバイスを通じて、図面や工数の確認、帳票の入力・出力ができる情報技術を指す言葉。書類作業の時間、現場への移動時間などを削減できるため、長時間労働の是正に繋がります。また、建設ICTと併せて週休二日制の導入を目指していくことも、長時間労働の是正を実現できるでしょう。

会社としての魅力をアピールする

建設業界は収入が不安定なイメージがありますが、収入そのものは決して低くありません。日給月給制から完全月給制への移行、教育や福利厚生を充実化していく中で、会社としての魅力を若者にアピールすることも大切です。例えば以下の施策が挙げられます。

・動画共有サービスを使い、若者に「建設業で働くことに良いイメージ」を持たせる

・従業員がキャリアプランを描けるように研修・eラーニング・資格取得をサポートする

・現場で働く女性の先輩がいるなら、女性に登場してもらう

・自社採用サイトを用意し、常に求職者に会社の魅力を伝える

まとめ

建設業界では若者離れが起こっています。若者離れを放っておくと、将来、建設業界は人手不足に悩まされることでしょう。若者離れを解決するには若者離れの要因を探ることから始めましょう。要因に対して1つひとつ解決策を講じていくことが必要です。

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